韓国の不動産ってなんで高騰しているの??
ソウル在住ということで週に1回くらいは韓国ニュースについて触れたいと思います。韓国、特にソウルエリアの不動産マーケットは右肩上がりです。
以下、Yahooニュースです。
韓国、「不動産政局」の背景に過熱する投資熱
https://news.yahoo.co.jp/articles/54bf358df1eb002282b99b6b678b7f02a8f70219?page=1
なぜこんなにソウルの不動産マーケットは加熱しているのでしょうか??
では、人口・人口密度をみてみましょう。
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★人口・人口密度
まず、国としての人口密度。(データ出典はWikipedia)
日本の人口密度が334.5人/km2(人口約1億2600万人)に対して、韓国の人口密度は503(12位)人/km2(人口約5200万人)となっており、日本の約1.5倍密集しています。
つづいては首都の人口密度。
東京23区の人口密度は15,446人/km²(人口約1,400万人)に対して、ソウル特別市の人口密度は16,102 人/km2(人口約970万人)です。首都の密集具合は、ほぼ同程度といえます。
最後に、総人口に占める首都人口の割合。
東京23区が約11%に対して、ソウル特別区は約18.7%。
ソウルの1極集中具合が読み取れます。
Wikipedia上では「ソウルの面積は韓国全土の面積に対して0.6%でありながら、全人口の25%が集中する極端な一極集中のもと、国全体の国民総生産の21%を生み出している。」とも表現されています。ソウルをどこまでソウルとして捉えるか(特別市だけでなく、その周辺)で数字は変わってきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%AB%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B8%82
ソウル1極集中が不動産マーケットを加熱させる一因でしょう。価格は需給バランスで決まるので、高騰しているということは供給に対して需要過多。では、なぜ1極集中するのか?なんでそんなに需要があるのか?
それは、韓国人の夢である有名財閥企業の本社は軒並みソウルに集中しているから?
いや、それなら地方の大学からだって、入社試験が受けられるじゃないですか。いや~、違うんです。地方大学じゃ駄目なんですよ。
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★教育
都市の価値を決める一つの要素として教育環境が挙げられます。韓国の主要な大学といえば、SKYでしょう。Seoul University、Yonsei University、Korea Universityの3つの大学です。(韓国ドラマで韓国の上流階級、激しい受験戦争を描いたSKYキャッスルというドラマもあります。)日本でいうと、東大・早慶みたいな感じでしょうか。
財閥企業に入社する為には、SKYに入学するために猛烈に勉強し、財閥の試験に受かるために猛烈に勉強し、財閥企業で出社するために猛烈に仕事する。これが韓国の勝利の方程式です。ただ、約1%の学生のみがこの勝利の方程式に乗れるので、その他99%の人にとってはヘルコリアの方程式とも言えます。
日本との違いは就職の際の出身大学の間口が狭いことでしょうか。日本であれば、東大・早慶でなくても、旧帝大・関関同立・上智であれば東証一部企業への挑戦権はあるでしょう。韓国でも、以前は釜山大学など地方の国立大学が優秀な大学として認知されていたようですが、最近はソウルにある優秀な大学、それ以外といったSeoul or notという認識のようです。(大筋で話をしています。日本の東工大のような優秀な理系大学がいくつかあることは承知しています。)
付き合いのある銀行のマネージャーと世間話をしていた時の話です。
最近の採用では履歴書提出の際に大学名をブラインドにして審査しているとのこと。(その昔、ソニーがそんなことしていたような。今はどうなんでしょう?)昔は指定校といった形で地方大学からも一定数の採用していたそうです。このブラインド採用を始めたところ、何が起こったのか?
結果的にSKY比率が高まったそうです。ぼけーっと地方でのんびりしていた学生では、小さい頃からソウルで激しい競争に晒された学生には太刀打ちできないのでしょう。
親としては無限に広がる子供の可能性(実際は親の資産と遺伝子でほぼ決まる)を妨げる訳にはいきません。教育環境の整ったソウルで子育てしたいと思う親が多いのは自然な流れでしょう。
ソウルに住まなきゃだめでしょう!
ソウルにあらずんば人にあらず!
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今回は教育要因から考察しましたが、他にもいっぱい要因があるでしょう。不動産マーケットが加熱し続け、皆が不動産を買いたくて仕方がないソウル。その価格水準はいかほどでしょう。同僚から聞いた話ですと、一流財閥企業に入社して、高い給料をもらいながらも、生活費を切り詰めて切り詰めて貯蓄して、一生かけてもちょっと手が届かない、位の水準まで高騰しているようです。
闇は果てしなく深いヘルコリアでした。